熱可塑性樹脂の射出成形
熱可塑性樹脂では樹脂を加熱・溶融させ、金型(溶融温度より低温)に注入して固化させるものです。
1.射出成形とは
射出成形(Injection Molding)とは樹脂を加熱・溶融させ、金型に注入し、冷却・固化させて成形品を作る方法です。
射出成形の工程は ①射出 ②保圧 ③冷却(計量)④型開 ⑤成形品取出し ⑥型締 の工程が一つのサイクルと成ります、
このサイクルを繰返す事で連続した生産性を得ることが出来、様々な分野で利用されております。
2.成形品の構成
成形品はスプール・ランナー・ゲート・製品の4つの部分から構成されます。樹脂の入口となるスプール、製品へつながるランナー、
ランナーと製品をつなぐゲート、製品の順に材料である樹脂が流れます。 製品の取数は1・2・4の様に設計することが望ましいと
されております。これは製品に均等な圧力をかけられる様にする為です。
■:スプール
■:ランナー
■:ゲート
■:製品
3.射出成型機
射出成型機は射出装置と型締装置で構成されています。
射出装置は材料である樹脂を加熱溶融させながら樹脂量を計量して射出します。この計量時間(最低)が上記③冷却となります。
樹脂が金型内を流動している間は射出速度を制御し、成形品に樹脂が充填された後は保圧力を制御します。
型締装置は金型の開閉を行うもので、型開時に成形品を取出す突出しを行います。型締装置にはトグル方式と直圧方式があります。
4.金型
金型はキャビとコアから構成されます。成形品を取出すための機能も金型内にエジェクターが組込まれています。
複雑な製品形状を形成するためにスライド等、色々な機能を組込むことが出来ます。
金型の温度を調節する機能もあります。金型が無ければ成形品を作ることは出来ません。
5.成形条件
射出成形を行うには成形条件を設定しなければいけません。射出装置のシリンダー温度・射出速度・保圧力・冷却時間などです。
型締装置の金型温度などです。その値は成形加工業者ごとに違うでしょう。お客様の要求スペックを満たす成形品を得るためには
習熟した技術と経験が必要とされています。
「第12回大田区加工技術展示商談」に出展します